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あたらしい共有について 第1回

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「あたらしい共有について」

ここ数年、「シェア」や「共有」が時代のキーワードだと言われている。

辞書を引くまでもなく、
その意味は「ひとつのものを二人以上で持つ事」で、
だが、そのようなことは、いまにはじまった訳ではなく、古くからあったはずだ。

例えば、すっかり街角で見る事はなくなった公衆電話を振り返って考えてみよう。
いまから二十年前は、携帯電話がいまのように個人に普及していた時代ではなかった。
だから、町中なら誰かに電話をかける必要があると、「公衆」電話を使うしかなかった。
多くの人が町中でシェアするものは、「公衆」と冠がつけられていた。

しかし、電話が携帯化し、誰もが所持できて、
ついでにメールも見れるような時代になると、
町中で電話をシェアする必要はなくなった。

いまでは、公衆電話を探そうと思うと、
それなりに真剣にならないと見つからない。

「公衆」も「シェア」も「共有」も、
時代によってその対象は常に変わりゆくものである。

翻ってここ数年、「シェア」が目指しているのは、
あたらしい価値観なのではないか、
と個人的にずっと思っている。

だから、あたらしいのは、シェアや共有ではなくて、
その関係性の中からうまれる人と人との関係にあるのではないだろうか。

モノだけでなく、場所だけでなく、時間だけでなく、
もっと次のなにかをシェアし、生まれる事があるのではないか?

そんな価値観を持った人たちが、その価値観のなかから、
次の時代のビジネスとライフスタイルを見つけていくのだろう。

シェアは、いつもあたらしいなにかを教えてくれる。

高城剛

1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。著書に『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。自身も数多くのメディアに登場し、NIKE、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。2008年より、拠点を欧州へ移し活動。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

www.takashiro.com

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