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レジデントブログ

「細雪」の次は…
2021.04.19



谷崎潤一郎の「細雪」をやっとすべて読み終えました。通勤中にしか読んでいなかったので、あれよあれよという間にかかってしまった時間は実に半年!...ただその間に別の本も読んでいましたので、ノロマな私にはこれくらいがちょうどいいんだろうという風に考えています。この読書経験が今後の人生にどのように血肉化されていくかは皆目見当がつきませんが、功利的な考え方抜きで「細雪」を純粋に楽しめたのはよかったと思っています。「痴人の愛」「春琴抄」「刺青」などなど、これまでに読んできたマゾ要素強めの谷崎作品とはある意味一線を画すものではありましたが、蒔岡姉妹たちやそれを取り巻く人々の気持ちが浮き彫りにされた人間ドラマが、船場言葉で鮮やかに描き出されています。ちなみにこの作品の英語のタイトルは「The Makioka Sisters」で、そのまんまなのですが、上品な大阪の言葉で醸し出される雰囲気が英訳でどこまで再現されているのか、とても気になるところではあります。でも恐らくそこは「細雪」の本質的な部分ではないでしょうし、あまり重箱の隅をつつくようなことを煮詰めて考えるのも良くないのかもしれませんが...。


昨日の晩は「細雪」を読み終えて寝床につき、翌朝は週の始まりであったわけですが、あろうことか地震で目が覚める夢を見ました。明朝7時15分ごろ、本棚から前の恋人からもらった本だけがたった一冊、決して大きくはありませんでしたが主張の強い音を立てて落ちました。言わずもがなあまりいい目覚めではありませんでしたが、夢の中の地震が本当に起こっていなかっただけまだマシです。震度3か4くらいの揺れが1分くらい続き、とっさに速報を確認しましたが、何もなくて本当によかったと思いました。本物の地震は最近特に多いですから、コロナ対策とともに地震への用心もするに越したことはないということは、すぐ気を緩めてしまう自分が自分に特にいい聞かせなければならないことであります。今回の夢自体については、気持ちを整理しなさいという脳からのメッセージとして受け止めようと思います。


さて「細雪」を読み終わりましたので次は何に取り組むか、ということになりますが、私のような人間にはとんでもない贅沢である「大切な人が見つかるシーン」これでもかというほど見せつけられた、というくだらない理由で嫌になり、途中で読むのをやめてしまったジョージ・オーウェルの「1984年」。これを続きから読むか、それか、以前の住人さんに教えていただいたカズオ・イシグロの最新作を読むか、はたまた別の積読の続きを読むか、迷っています。実のところカズオ・イシグロの本は原書を既に注文していますので、それが届くまでは積読を漁ると思います。(念のため付け加えておきますが、英文学を原書でスラスラ読めるほど私の英語力は高くありませんし、そもそも英語が読めるだけなんぞ社会になんの役にも立ちませんので、決して原書を読もうとしていることを誇りになど思っていません。かっこつけてわざわざ難しい方をやろうとして結局コケるのですから、滑稽コケコッコーとしか言いようがありません。まさしくチキンな私の人生そのものであります。)


オフザケが過ぎたようです。皆様引き続きご自愛ください。



投稿日 :
2021.04.19
投稿者 :
Tamaki

著者プロフィール

周りが順調に自立し、大人になっていく一方、私は25歳まで大学(学部)に在学...まともな就職したときには27歳になっていました。とんでもない遅熟児(遠藤周作の造語)で、社会に揉まれていないMan childだなとよく揶揄されますが、実際のところの性格はナヨナヨした見た目通りで、事実そうであることも自認しております。「大人」「成熟」「貫禄」「成功」、実にどの一つの単語をとっても自分に似合うと思えないのが悔しくてなりません。

The Smiths, Radiohead, Nirvanaみたいな陰キャラかつフェミニストよりなバンド音楽が好き。それでいて伝統的な価値観に基づいた「男らしさ」の偶像、そしてそれに対する憧憬を全否定することのできない、実に扱いにくい迷子です。

在英経験もあります。結果的に独善的な性格を形成することになってしまいましたが、語学だけは一定期間で人並みの上達が出来たのではないかと思っております。換言すれば、それ以外何一つ社会に有用な能力を持ち合わせていないということにはなりますが・・・。

南流山の皆様は優しいので、こんな歪な僕でも暖かく迎えてくださいました。

心の支えとしての日常や、この土地の魅力を僕の拙い文章と乏しい語彙で、少しでも伝えていければ幸いです。