シェアハウスのドミトリーとは?メリットや注意点を解説
公開日 : 2025.02.21 更新日 : 2025.02.21
シェアハウスを検討していると「ドミトリー」という言葉を目にすることがあります。一般的にドミトリーとは、同じ部屋に複数人がベッドを並べて寝泊まりするスタイルのことを指します。ゲストハウスやホステルなどでもよく見られますが、シェアハウスの一部屋としてドミトリーを設置している物件も少なくありません。
一人部屋のシェアハウスと異なり、ドミトリーでは他の入居者と同室になるため、費用が安く抑えられる反面、プライベート空間が限られるのが特徴です。本記事では、ドミトリーの意味やメリット・デメリット、向いている人の特徴、選び方や利用する際の注意点などをまとめて解説します。ドミトリーのシェアハウスに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ドミトリーとは?
ドミトリー(dormitory)とは、本来「共同宿泊所」や「寮」を意味する言葉です。シェアハウスやホステルなどの宿泊施設においては、「部屋の中に複数のベッドや二段ベッドが置かれ、複数人が同じ空間を共有する形式」を指すことが多いです。大人数が同室で寝泊まりするため、個室のシェアハウスに比べて家賃や宿泊費が安く設定されるのが一般的です。
- 二段ベッドが並んでいる場合が多い
限られたスペースを効率よく使うため、二段ベッドを採用しているドミトリーが多く見られます。上段・下段に分かれているため、多少のプライバシーを確保しつつも部屋をコンパクトに収めることが可能です。 - 家具・家電は共有が基本
ドミトリーがあるシェアハウスでは、キッチンやリビング、洗面所といった共用スペースを他の入居者とシェアするスタイルが主流です。もちろんドミトリー内も共有部となり、同室の入居者と一緒に空間を利用します。
このように「複数人同室」という特徴を持つドミトリーは、通常の個室型シェアハウスよりもコスト面でのメリットが大きい半面、プライベート空間の少なさが課題となる場合があります。
ドミトリーのメリット
- 家賃・宿泊費が安い
ドミトリー最大のメリットは、何と言っても費用の安さです。部屋を共同利用することで運営コストを抑えられるため、一人あたりの家賃や宿泊費が個室よりも格段に安く設定されていることがほとんどです。特に都市部のシェアハウスでは、立地条件が良い物件でもドミトリーなら手頃な価格で住めるケースが少なくありません。 - 他の入居者と交流しやすい
一人部屋にこもりがちにならず、必然的に同室の人やほかの入居者とのコミュニケーションが生まれやすいのもメリットです。初めて上京した方や外国人留学生など、人との繋がりを積極的に求める方にとっては、ドミトリーでの共同生活が良い刺激になります。友達を作りたい、語学を練習したい、といった社交的な目的がある人に適していると言えるでしょう。 - 防犯面やトラブル時の安心感
常に誰かが同じ部屋にいるため、一人暮らし特有の不安が軽減されることもあります。たとえば体調を崩して寝込んだときも、周囲に人がいれば助けを得やすいです。また、留守のときでも同室の入居者がいれば空き巣などのリスクが下がる可能性があります。ただし、部屋の出入りが多い分、防犯意識を高める必要はあるでしょう。 - 短期滞在・体験入居しやすい
最近では、数週間から数ヶ月単位の短期契約に対応したドミトリー物件も増えています。費用が比較的安く、気軽に始めやすいため、「シェアハウス生活を試してみたい」「一時的に都市部に拠点がほしい」といった方にも適した選択肢となるでしょう。
ドミトリーのデメリット
- プライベート空間が限られる
複数人で一つの部屋を使うため、寝起きや着替えなど、常に誰かの気配を感じながら生活することになります。パーテーションやカーテンである程度視線を遮れる場合もありますが、個室のように完全なプライバシーを確保するのは難しいでしょう。周囲の生活音や光などが気になりやすい方にはストレスになるかもしれません。 - 生活リズムの違いによるトラブル
同室の人が夜遅くまで起きていたり、早朝に出かけたりする場合、睡眠時間が合わずにお互いストレスを感じる可能性があります。また、散らかった荷物や臭い、空調の温度設定など、生活習慣の違いが直接トラブルの原因になることも少なくありません。 - セキュリティ・貴重品管理の難しさ
ドミトリー内で施錠できるロッカーが用意されている物件もありますが、それでも個室と比べると防犯面の不安が残ります。スマホや財布などの貴重品を常に管理しておかないと、万一盗難トラブルに巻き込まれるリスクもゼロではありません。 - 常に気を遣う必要がある
大人数の空間を共有するため、個室よりも相手への配慮が求められます。リビングやキッチンなど共用部だけでなく、寝室(ドミトリー)自体が共有スペースになるため、音や光、匂いなど、些細なことでも相手が不快に感じる場合があります。お互いに譲り合い、協調性をもって生活する意識が欠かせません。
ドミトリーのシェアハウスが向いている人
- 費用を極力抑えたい人
都心部や人気エリアで家賃を安く抑えたい場合、ドミトリーは有力な選択肢です。学生や若手社会人、留学生など、予算を切り詰めたい人に向いています。 - 人との交流を楽しみたい人
ルームメイトやシェアメイトと積極的にコミュニケーションを取りたい人にとって、ドミトリーは理想的な環境です。外国人や日本各地から集まった入居者同士の交流は、新しい価値観や友人関係を築くチャンスとなるでしょう。 - 短期的な滞在やお試し利用を考えている人
長期契約のハードルが高い場合や、まずはシェアハウス暮らしを体験してみたいという方は、ドミトリーの安価な物件で短期契約を結ぶのがおすすめです。 - 協調性があり、多少の不便を許容できる人
ドミトリーではプライバシーを確保しにくい、生活リズムが異なるなどの不便はつきものです。周りの状況に臨機応変に対応し、ある程度他人に合わせられる人なら快適に過ごせるでしょう。
ドミトリーのシェアハウスの選び方
ドミトリーを検討する際には、以下のポイントをチェックすることで、自分に合った物件を選びやすくなります。
- ベッド構成とプライバシー度合い
二段ベッドなのか、シングルベッドが複数並ぶのか。仕切りやカーテン、ロッカーなど、どの程度プライベート空間を確保できるかは物件ごとに大きく異なります。内覧や写真で確認しておくと安心です。 - 入居者の年齢層や属性
ドミトリーでは他の入居者と同室になるため、年齢や生活スタイルが大きくかけ離れた人が多いとストレスになりがちです。運営会社や内覧時に「学生メインなのか、社会人中心なのか」など、入居者層を把握するようにしましょう。 - 共用部の広さや充実度
キッチン・リビングなどの共用スペースが狭いと、混み合う時間帯に不便を感じる場合があります。バス・トイレの数も重要です。全体的な設備や清掃頻度など、運営管理体制をよく確認することが大切です。 - アクセスと周辺環境
ドミトリーは安さを求めるあまり、郊外やアクセスが悪い立地に多いイメージもあります。しかし、都市部であってもドミトリー形式のシェアハウスがあるため、自分の通勤通学ルートや生活圏内に適した場所かどうかを確認しましょう。 - 契約内容・初期費用の確認
初期費用やデポジット(保証金)、退去時のクリーニング費用など、物件によって大きな差があります。短期利用が可能か、更新料や違約金の有無なども事前にチェックしておくと安心です。
ドミトリーを利用する際の注意点
ドミトリーは費用面やコミュニティ面で大きな魅力がある一方、共同生活ならではのリスクや負担も伴います。スムーズに暮らすために、以下の点に留意しましょう。
- 貴重品の管理
同室の入居者が信頼できる人であっても、完全に他人同士という点は忘れないようにしましょう。物件によっては各人専用のロッカーやセーフティボックスが設置されている場合がありますが、貴重品や高価な私物は極力持ち込まない、普段は肌身離さず管理するなどの自己防衛を怠らないことが大切です。 - ルールの事前確認
ドミトリーは互いに気を遣い合う必要が高い環境です。物件によっては「夜間の部屋内での会話は控える」「二段ベッドの上段はライト使用禁止」など、細かいルールが定められている場合もあります。事前に運営会社や入居者に確認し、守れるかどうかを判断しましょう。違反行為やマナー違反が続くと、トラブルや強制退去のリスクもあります。
まとめ
同じ「シェアハウス」でも、個室とドミトリーでは暮らし方や雰囲気が大きく変わります。ドミトリーは家賃が安く、他の入居者と交流しやすい一方で、プライバシーや防犯面への配慮が不可欠です。費用を抑えたい方や人と積極的に関わりたい方、短期でシェアハウスを試してみたい方にとっては、ドミトリーは魅力的な選択肢となるでしょう。
ただし、同室者との生活リズムやコミュニケーションはかなり密接になるため、生活習慣が合わないとトラブルが起こりやすいのも事実です。物件選びの際は、ベッドの構成やロッカーの有無、ルールや設備などをしっかりチェックして、無理なく過ごせる環境かどうかを見極めましょう
監修者 : 谷口裕紀 (合同会社シェアリアル 代表社員)
シェアハウスの運営・管理、プロデュース、コンサルティングを本業にしながら、練馬区でシェアキッチンをハブに地域コミュニティの活性化にも挑戦中。
最近の生きがいは、釣りとクラフトビールと中日ドラゴンズ。
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