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あたらしい共有について 第11回

コラム11イメージ

二十世紀最大の発明は何か? と尋ねられれば、コンピュータやインターネットに携帯電話、いやいやテレビや飛行機ではないか、と答える人がきっと多いと思う。かつて僕は、自著で「二十世紀最大の発明は、エアコンではないか」と書いた事がある。

先日「ウォールストリートジャーナル」で発表された20年後に活況な世界の都市ランキングを見ると、南国都市が、その大半を占めている。第一位がインドネシアのジャカルタ、第二位がフィリピンのマニラ、そして第三位がエチオピアのアディスアベーバだ。それにサンパウロ、ニューデリー、リオ・デ・ジャネイロ、コロンビアのボゴタと続く。

日本に遅れて老大国となる中国の首都北京は、トップ10から漏れ、東南アジアやアフリカから多くの都市がランクインしている。そのほとんどが「南国」と呼ばれる国家の都市である。

昨今は、グローバルという言葉そのものが陳腐化するほど一般的になったように思うが、その実、世界をフラット化したのは、南国を住みやすくしたエアコンの功績が多大のように感じる。どんなにインターネットが早くても、エアコンがない暑苦しいビルのなかで、終日業務に励めるとは到底思えない。人間とは、想像以上に怠惰な生き物で、環境に弱い生物である。なにより、世界中の気象変動から人々の命を真剣に守るのは、エアコンだろう。

だから、いままで怠惰だった南国暮らしの人々は、これから20年に渡り、エアコンの普及と共に大きな変化を迎えることになる。いままで、北のほうで活躍していた才能やトレンドは、ゆっくり南下するんだろうな、と想いに更けながら、今日も僕は南国を渡り歩いている。

高城剛

1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。著書に『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。自身も数多くのメディアに登場し、NIKE、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。2008年より、拠点を欧州へ移し活動。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

www.takashiro.com

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