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あたらしい共有について 第5回

コラム5イメージ

アルゼンチンは、定期的に国家財政破綻を繰り返している国家で、直近だと2001年12月に破綻したばかりだ。そしていま再び、アルゼンチンは、国家財政破綻に直面している。昨年末、格付け会社フィッチがアルゼンチンの格付けを5段階引き下げて「CC」とし、さらに今後の見通しも「ネガティブ」だとしたことからわかるように、病巣の悪化は著しい。

先日、そのアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに仕事で訪れると、街角には違法換金業者が立ち並び「カンビオ!」「カンビオ!」(スペイン語で両替の意)と、声高く客を引く姿が目立つ。表面的には、二年ほど前から外貨交換は一切禁止されているが、違法換金業者の数は日ごとに増えるばかりだ。だが、彼らのなかには、悪質な偽札ばかりを扱う業者も多いので、知っている者や大きな取引の時には完全紹介制の「地下銀行」を使う。

このような状況のなかで盛んになっているのは「交換クラブ」だ。ここでは、お金を使う事が一切禁止され、物々交換か、なにかのサービスを提供するか(散髪、マッサージなど)、それによって入手した交換クラブ発行の「チケット」だけが有効となる。いうならば、この「チケット」は一種の地域通貨である。

こんな状況で、普通に暮らす人々に聞いてみた。もし、明日国家税制破綻に陥ってしまったら、どうするのか?と。その回答は驚くべきもので、「慣れているから平気さ。日本は十年あまりに大きな地震がくるだろう?

震度4ぐらいじゃ誰も驚かないと聞く。ここで、震度4の地震があったら、それこそ大パニックさ。破綻なんかの比じゃないね。死ぬかもしれないんだから」。慣れとは恐ろしいもので、また、人類は逞しいと実感する。

高城剛

1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。著書に『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。自身も数多くのメディアに登場し、NIKE、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。2008年より、拠点を欧州へ移し活動。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

www.takashiro.com

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