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あたらしい共有について 第2回

コラム2イメージ

日を見るのが大好きで、世界中のサンセットポイントと呼ばれる場所にわざわざ出向いて、素晴らしい夕日をみるのが人生の楽しみのひとつだ。同じような趣味の人たちは、どうやら「サンセット・ハンター」などと呼ばれているらしく、紛れもなく僕もその一人である。

日中、燦々と輝く太陽を肉眼で見る事は人間の身体能力的に無理があるが、朝日と夕日は、その存在をハッキリと見る事ができる。だが、その時間は極めて短い。「たそがれ」などとサンセットを表現する日本古来の呼び方もあって、これは平安時代に「誰ぞ彼」と思わせるほど、誰もが短い夕暮れ時には素敵に見える事からはじまったとされている。映画の撮影用語でもある「マジックタイム」や「ゴールデンアワー」と呼ばれる、誰もがキレイに映るわずかな時間は、夕日が落ちた薄暮の時の呼び方だ。優しい日差しは、人も風景もそこにあるすべてを何倍にも輝かせる不思議な力があると思う。

昨今、インターネット界隈の話題のひとつは、違法ダウンロードとそこに紐づく著作権だが、僕自身は過度な著作権保護に疑問を呈する立場を長年取っている。所詮、人間が作ったものを50年、70年と長年保護する事が人類全体に貢献するとは思えないし、どんなに素晴らしい著作物でも、輝く夕日に勝るものはないと思っている。夕日は著作権を主張しないし、もし、夕日より素晴らしいものがあるなら、著作権について一考したいと思っているが、いまのところ僕にとって思い浮かぶものはない。

そう考えると、所詮人間が作ったものは、10年から20年程度で著作物を「シェア」できるようにしたほうが、全人類が次の素晴らしい「著作物」を生み出すキッカケになるのではないだろうか? そして、著作者へのリスペクトには期限はない。そう思いながら、今日も世界の夕日を見てまわっている。

高城剛

1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。著書に『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。自身も数多くのメディアに登場し、NIKE、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。2008年より、拠点を欧州へ移し活動。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

www.takashiro.com

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